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【GT300】第7戦もてぎ、左側2輪のタイヤ交換作戦を選択した34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は14位でチェッカー【動画】

2020年11月7-8日、栃木県・ツインリンクもてぎにて2020年SUPER GT第7戦の決勝が行われた。今シーズンは新型コロナウィルスの感染拡大により、当初の年間スケジュールを変更して開催されているため、このツインリンクもてぎでは第4戦に続いて2度目の開催となる。

しかし前戦の第5戦から人数制限はあるものの有観客での開催となっており、少しずつではあるが「以前の日常」が戻りつつあると感じさせた。

最終戦のひとつ前のレースとなる第7戦は、例年であれば全チームともウェイトハンデは半減で行われてきたが、今回のGT300クラスはチームの獲得してきたポイント×1.5kgのウェイトを搭載して行われる。レース距離は300kmで、各チームとも事前データが多くないなかの開催となった。

今季よりチームに加入したジェイク・パーソンズ選手(右)は日本語も日に日に上達している

GT300クラスに参戦3年目となる34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は、今季から新たにジェイク・パーソンズ選手が加入。チーム代表を兼任する道上 龍選手とコンビを組む。チームは第6戦まで全戦でポイント獲得しているが、決勝レースではポジションアップを果たすものの予選での順位が中団グループであるために、なかなか上位進出を果たせないという状況が続いていた。

そんななか迎えた第7戦、11月7日の午前中に行われた公式練習では7番手タイムとなる1分47秒568を記録。予選に向けて期待が高まった。午後に行われた予選では、Q1を道上選手が担当。気温や路面温度が下がったことも要因となり、1分47秒355までタイムを縮めてQ2に進出する。

Q2を担当したジェイク・パーソンズ選手は、ツインリンクもてぎでのレースは2度目ということもあり果敢なドライビングを披露。タイムは1分47秒522を記録し、11番手グリッドから決勝レースに挑むこととなった。

なお今回の予選では、ライバルチームの多くがQ1→Q2とタイムアップを果たしているなか、同じNSX GT3を走らせる18号車UPGARAGE、55号車ARTAのいずれもQ1からQ2でタイムを落としている。ヨコハマとブリヂストンでタイヤメーカーが異なるとはいえ、気温や路面温度の変化に対してどうタイヤをマッチングさせるかが、決勝レースに向けての課題と思われた。

快晴の空のもと行われた決勝レース、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3のスタートドライバーは道上選手が担当。スタート直後にポジションをひとつ落としてしまうものの、その後に奪い返し、11番手を走行。上位進出を伺って周回を重ねながら、10周目には10位にポジションを上げる。

その後、GT500クラスの周回数が23周目に入ったタイミングで、コース上に停まってしまったマシンを回収する作業のため、セーフティカーが導入された。

この時点でGT500/GT300ともに各ドライバーのミニマム規定周回数はクリアしており、スタートドライバーの周回数を最小限としていたチームを中心にピット作業が始まっていた。そして結果的に、このピット作業のタイミングがレース結果に大きく影響することとなる。

34号車Modulo KENWOOD NSX GT3はセーフティカー導入時でまだコース上を走行しており、セーフティカーがコースから外れレースが再開された27周目にピットイン。コースレイアウト上、摩耗が進みやすい左側の前後2本のみタイヤ交換を行い、ジェイク・パーソンズ選手へドライバーチェンジ。最小限のピット作業で上位進出を目指した。

左側2本のみタイヤ交換という作戦自体はチームとして想定したものの、セーフティカー導入のタイミングがアンラッキーとなってしまった。

左右でコンディションの異なるタイヤを装着したジェイク・パーソンズ選手は巧みにマシンを操り、GT300クラスのライバルたちと激しいバトルを展開。前を走るライバルマシンをオーバーテイクする場面もあったが、終盤には接触もあり14位でチェッカーフラッグを受けた。

この第7戦でチームは3ポイントを獲得し、累計29ポイント。チームランキングは17位で第8戦を迎える。

次戦の第8戦はいよいよ今シーズンの最終戦。11月28~29日に静岡県・富士スピードウェイで行われる。厳しい寒さが予想されるが、例年同様にウェイトハンデなしの”ガチンコ”レースとなるだけに、チームにとって今シーズン初の表彰台、そしてSUPER GT参戦開始以来の悲願である初優勝に期待したい。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)