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【GT500】好調の64号車Modulo NSX-GTを襲ったアクシデント。ドライバーは無事で第5戦以降のリベンジを誓う

当初は雨も予想されながら、ドライコンディションで行われた2021 SUPER GT第3戦(鈴鹿)の予選ラウンド。ポールポジションを獲得したのは、昨年の第3戦でも驚異の速さを見せた64号車Modulo NSX-GTだった。

決勝レースが行われる8月22日(日)も、天気予報では下り坂となっていたが、午前中にはサーキット上空に晴れ間が覗くほど。スタート前のウォームアップ走行が始まる昼すぎには汗ばむほどの日差しとなり、熱い戦いが期待された。

このウォームアップ走行中にGT300車両がクラッシュした関係で、定刻より10分遅れとなる14時40分にフォーメーションラップがスタート。2周ののち、グリーンシグナルで300km/全52周の決勝レースがスタートした。

ホールショットを奪ったのは、ポールポジションからスタートした64号車Modulo NSX-GTで、スタートドライバーを務める伊沢拓也選手は序盤からハイペースで周回を重ね、後続を引き離していく。2番手には予選2位の16号車が続いており、ダンロップタイヤを装着した2台のNSX-GTがレースをリードした。

好調にトップを走っていた64号車Modulo NSX-GTだが、4周目も終ろうとするシケインのブレーキングにおいて車両に異変が発生。右サイドから黒い煙が上がったかと思うと、シケインを曲がらずそのまま直進してアウト側のスポンジバリアに激突してしまう。

マシンはスポンジバリアに対して正面から突っ込む形となり、さらにスポンジ部分に引火。サーキット場内にも大きな煙が上がるなか、マシンの前半分がバリアに埋まった状態であったため、ドライバーの伊沢選手の容体が心配された。

しかしサーキットオフィシャルの迅速な対応により、伊沢選手は無事に救出。とくに怪我などもなかったとのことだが、残念ながら64号車Modulo NSX-GTはわずか4周でレースを終えてしまい、前戦の第4戦(ツインリンクもてぎ)に続いて2戦連続でのリタリアとなった。

次戦の第5戦は、9月11-12日に 宮城県・スポーツランドSUGOで行なわれる。


中嶋 悟 総監督コメント
「昨日とは別の意味で、言うことがない内容となってしまいました。ドライバーが無事でよかったですが、結果は残念としか言いようがありません。予選で見せた速さを今回も結果に繋げることはできませんでしたが、諦めることなく次戦も頑張っていきたいと思います。たくさんのご声援をいただき、本当にありがとうございました」


伊沢拓也選手コメント
「大きなチャンスがあった中での不運で、とても残念な結果となってしまいました。クルマの破損が大きく、そのあたりは心配ですが、全体的なチームのパフォーマンスが非常に高かったのはポジティブな要素だと感じています。次のSUGO大会は、今回の分も含めて取り返しに行きたいと思います」


大津弘樹選手コメント
「トップ快走中のブレーキトラブルで、手ごたえがあっただけに残念な結果となってしまいました。あれだけの煙の中、無事に伊沢選手が戻ってきてくれて本当に良かったです」

「この週末、予選ではQ1、Q2ともにトップタイムを獲れたことに前進を感じました。レースでの強さ が見られなかったのは残念ですが、次戦も予選から速さを引き出して、決勝レースも力強く戦っていきたいと思います」

日産GT-Rが表彰台を独占。ホンダ勢は1号車の4位が最上位

レースは64号車Modulo NSX-GTのアクシデントにより、4周目からフルコースイエロー(FCY)が発動。さらに消火活動のためセーフティカーが出動し、12周目よりリスタートが切られた。トップを走行していた16号車だったが、徐々にペースが落ちてしまい日産GT-R勢に先行を許してしまう。

最終的にホンダ勢で最上位となったのは、64kgのSW(サクセスウェイト)を搭載した1号車STANLEY NSX-GT。燃料流量リストリクターによりパワーも抑えられるているなか、後半スティントを目いっぱい長く確保する作戦も功を奏して4位入賞を果たした。

(text:HondaStyle magazine)