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【名車図鑑】独創的なシート収納方式を実現した「モビリオ」は、コンパクト3列シートミニバンの先駆けモデル

2022年現在、ホンダのコンパクトカー・カテゴリーをフィットと並んで支えている存在がフリードだ。5ナンバー枠に収まるボディに3列シートを備え、まさに『ちょうどいい』使い勝手が好評となっている。そんなフリードのルーツといえる存在が、2001年12月に発売された「モビリオ」だ。わずか1代限りで車名は消滅してしまったが、センタータンクレイアウトを活かした3列目シートの独創的な収納方法や、広大な車内空間は今なお魅力的だ。

2001年6月に発売が開始された初代フィットでコンパクトカークラスのラインナップ刷新を図ったホンダは、並行して同系シャシーを用いた3列シートミニバンを開発していた。それが’01年12月に誕生した「モビリオ」である。

全長4055mm、全幅は5ナンバー枠に収まる1685mmというコンパクトなボディに3列シートを収めたモビリオは、ヨーロッパの路面電車をモチーフとしたボクシーな外観が特徴で、両側スライドドアを備えたコンパクトサイズのミニバンである。

車体における最大の特徴は、フィット由来のセンタータンクレイアウトを採用したこと。燃料タンクがフロントシートの下に存在するため、2列目シート下にはスペースが生まれ、そこに3列目シートを収納するという独創的な設計が可能となった。

3列目シート収納時にはフラットな荷室を作り出すことができ、大きな荷物も難なく積むことができるほか、2列目シートと3列目シートをリクライニングして連結させ、車内をリラックススペースのように使用することもできるなど、オーナーの使い道に合わせて様々なシートアレンジが実現できた。

また車体はサイズがコンパクトなうえスクエアな形状とされ、取り回しの良さに優れていたほか、サイドのガラスエリアが大きくとられ、とくにショルダーラインが低いため開放感もたっぷり。

操作系を上部に集中させ、視線移動を少なくしたコックピットデザインを採用。インパネシフトは操作性に優れ、脚もと空間の拡大に貢献した。運転席・助手席ともにダッシュボード下に小物トレイが用意されている。視界の広さは幅広いユーザーから運転しやすいと評判だった。

2列目シートはベンチタイプで、シート配列は2-3-2の7名乗員。3列めシートは着座位置も高くなり、大人が長時間座るにはあまり快適とはいえないが、それでも近距離なら問題ないレベル。2列めシートは分割可倒式を採用しており、用途に合わせて様々なレイアウトを実現できた。

3列シートは2列目シートの下に収納することができるため、ラゲッジルームは天地・幅ともに十分なスペースを確保している。後継モデルにあたるフリードは、初代&2代目(現行)モデルとも跳ね上げ収納式の3列目シートへと変更されたため、ラゲッジルームの使い勝手はモビリオが勝る。また開口部がバンパー下部と低く設定されているため、荷物の出し入れもカンタンに行うことができた。

エンジンは1.5リッターSOHCを搭載。最高出力は90PSで、多人数乗車のときにはやや力不足を感じさせた。そのためVTEC機構を備えた110PS仕様が後に追加されている。トランスミッションは全車CVTで、4WDモデルも用意された。なおハイブリッドモデルの設定はまだ存在していなかった。

そして兄弟車種として、2列シート仕様の「モビリオスパイク」も登場。3列めシートを取り除いて、ラゲッジルームをオーナーの趣味空間として活用しやすいよう設計されている。前後バンパーが専用形状となるほか、リアクウォーターウィンドウもボディパネルとされるなど、両車の外観は大きく差別化されていた。

モビリオおよびモビリオスパイクはどちらも人気モデルとなり、2008年まで販売を継続。’09年にはフルモデルチェンジを受けた後継モデルが「フリード」と車名を変えて登場し、2022年現在に至るまで人気モデルとなっている。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)

SPECIFICATION

2001 MIBILIO W(FF)

□全長×全幅×全高:4055×1685×1740mm□ホイールベース:2740mm□トレッド(F/R):1460/1440mm□車両重量:1270kg□乗車定員:7名□エンジン形式:L15A型直列4気筒SOHC□総排気量:1496cc□ボア×ストローク:73.0×89.4mm□圧縮比:10.8□最高出力:90PS/5500r.p.m.□最大トルク:13.4kg-m/2700r.p.m.□サスペンション型式(F/R):マクファーソン式/車軸式□ブレーキ型式(F/R):ベンチレーテッドディスク/リーディング・トレーディング□タイヤサイズ(F&R):185/65R14□新車時車両価格:159万9000円