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【JG3】コッチの「RS」には6MTもあるぞ! 走りが楽しい軽スポーツハッチバック、N-ONE RSがマイナーチェンジ

2022年8月26日、ホンダは軽自動車「N-ONE」を一部改良して発売を開始する。パワーユニットや外観には大きな変更はなく、4タイプのグレード展開も変わらない。

Nシリーズの誕生10周年を機にスタートした、新ブランド「N STYLE+」に基づく特別仕様車「STYLE+ URBAN」が設定されたことがもっとも大きなトピックと言えるが、それは別記事にて紹介するとして、ホンダスタイルWeb的に気になるのは、やはりスポーツグレード「RS」の進化についてだ。

新世代軽自動車「Nシリーズ」第3弾として2012年にデビュー

2020年11月に行われた初代N-ONEの発表には、N360も同席(!?)した。N-ONEの開発責任者である宮本渉氏(左)、そして当時に執行職/日本本部長を務めていた寺谷公良氏(右)

新型N-ONE RSの詳細を記す前に、N-ONEの歴史をちょっとおさらいしておこう。初代N-ONEがデビューしたのは2012年のこと。N-BOXとN-WGNに続き、新世代の軽自動車である「Nシリーズ」の第3弾として登場した。

ボディは4枚のヒンジドアを備える5ドアハッチバックで、かつてのN360を思わせる丸目ヘッドライトのフォルムが特徴。基本パッケージは軽ハイトワゴンながら、兄弟車であるN-BOXやN-WGNと比べてルーフ高も低く抑えられており、「走りの良さ」を連想させる内容となっていた。

フロントフェンダー以降のボディ外板はほぼ変更ナシという、異例のフルモデルチェンジとなった2代目N-ONE。RSには6MTも用意された

そんな「Nシリーズ随一のスポーティモデル」というN-ONEのキャラクターは、2020年にデビューした2代目モデルにおいてさらに顕著となった。その象徴ともいえるのが「RS」グレードの存在である。

街中を大海原に見立て、風をうけてスイスイと進むヨットのような走りが楽しめることから「Road Sailing(ロード・セイリング)」の頭文字が与えられた「RS」は、1974年に初代シビックの追加グレードとして初披露された。

1974年に登場したシビックRS。1.2リッターSOHCは最高出力76PSを発揮。シビックとしては初の5速MTが組み合わされた

その後はフィット、ジェイド、ヴェゼルなどシビック以外にも様々な車種にスポーティグレードとして設定された。タイプRはもちろん、SiRやSiよりも長い約50年の歴史を持つ、伝統あるグレード名である。

初代N-ONEの後期モデルにも「RS」は設定されていたが、2代目N-ONEではよりスポーティ仕様であることが強調され、なんとRSにはCVTのほか6速MTも設定された。

2代目N-ONE RSには、待望の6速MTモデルも設定された。シフトレバーはインパネから伸びる

この6速MTは基本的にS660のものと同様だが、エンジンは初代N-ONEやS660などに搭載されたS07Aから、ボア×ストロークを変更した発展型のS07Bに進化。ロングストロークとなったことで低中速域での扱いやすさが増している。

さらに2代目N-ONEは全車が電磁式パーキングブレーキを採用しているため、これを発展させた「オートブレーキホールド」機構をRSには標準装備。坂道の途中で停車してしまった際など、発進時にズリ落ちることを防いでくれる。6速MTで愛車を操る快感を味わいたいけれど、坂道発進がニガテ…というオーナーにとって、強い味方となってくれることは間違いない。

新世代の「RS」は、もはや「ロードセイリング」を捨てるのか?

マイナーチェンジを受けた新型N-ONE RS。外観の変化はほとんどなし

さて、そんな2代目N-ONEが初めて迎えたマイナーチェンジ。スポーティグレードであるRSの進化については、ここまで長々と書き連ねておいてナンだが、ほとんど変更点はナシ。

幸いにも6速MTの設定は継続され、CVTとの2モデル体制。エンジンはS07Bターボで変更なく、RSのみ駆動方式はFFだけとなる点も変わらない。

変更点は内外装のカラー変更で、インテリアではステアリングやシフトレバー周辺を落ち着いたダーク調とし、より上質さを感じさせる仕上がりとした。

外装色は2トーンカラーにフレームレッド&ブラック、メテオロイドグレー・メタリック&ブラックの2色が追加され、従来からの継続となるプラチナホワイト・パール&ブラック、ブリティッシュグリーン・パール&ブラック、プレミアムイエロー・パールII&ブラックの計5色。さらにモノトーンのクリスタルブラック・パールが用意されており、総計6色展開となる。

お気づきの方もいるかもしれないが、今回のマイナーチェンジで、従来モデルではRS専用色だった「サンセットオレンジⅡ&ブラック」が設定から落とされた。そしてインテリアのアクセントカラーも、オレンジ系からシルバー系へと変更になっている。

オレンジ系のボディカラーは、前述のように初代シビックRSに設定されていらい、ロードセイリングを掲げるRSに受け継がれてきた伝統あるボディカラーだ。正式発表の時期は前後するが、すでにティザーサイトがオープンしている新型フィットに追加設定される「RS」にも、オレンジ系のボディカラーは設定されていない。

同じ「RS」のグレード名は掲げつつも、初代シビックRSとは車両の性格が異なるジェイドRSやヴェゼルRSなどにはオレンジ系のボディカラーは設定されてこなかったが、同じスポーツハッチバックである第二世代フィットRS、第三世代フィットRSには専用色としてサンセットオレンジⅡが用意されてきた。

時代とともに若干の色味変更はありつつも、オレンジ系のボディカラーは初代シビックRSを知る世代だけでなく、若年層オーナーにも「RS」というグレードの価値を知らせる役割を担ってきた。タイプRシリーズが「チャンピオンシップホワイト」に拘るように、RSは「サンセットオレンジ」の設定に拘ってほしかったと感じるのは筆者だけなのだろうか…

新型N-ONE RSの車両価格は、従来と変わらず199万9800円(6MT/CVTとも)。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)