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【MOTOR EXPO】微笑みの国タイは日本車天国! 右ハンドルのカッコいいホンダ車たち、ぜひ日本へ輸入してください…

突然ですが、東南アジアの国のひとつ「タイ」といえばどんなイメージですかね?

暑い。微笑みの国。人々が優しい。仏教国……。だいたい合っていますが、もうひとつ覚えておいて欲しいのは東南アジア随一の自動車生産国であると同時に日本車ラブな国だってこと。タイの日本車率は9割ほどと言われていますが、それって東京の日本車率よりも高いんですよね。ありがたいことです。

記事内では紹介できませんでしたが、MOTOR EXPOのモータースポーツブースにはEGやEKシビックのレースカーも展示

そしてHonda Style的に注目なのが、ホンダ車がけっこうな人気だってこと。日本でいうと先代以前の「フィット」に相当する「ジャズ」、そして「シビック」や「アコード」を街で見かける率はなかなかですよ。最近は新型「ヴェゼル(現地名HR-V)」も増えてきましたね。

そうそう、昨今はアコード、かつては「グレイス」など日本向けもタイで生産しているホンダ車が存在することもホンダ好きならご存じでしょう。

会場は様々なイベントで使用される、バンコクの「IMPACT Exhibition Center」

さて、そんなタイには年に2回のモーターショーがあります。3月末から4月頭にかけて行われる「バンコクモーターショー」と12月頭におこなわれる「タイモーターエクスポ」ですね。どうして2回もあるのかって? 答えは簡単で、主催者が異なるからです(笑)

というわけで先日、タイモーターエクスポに出かけてきましたのでそのホンダブースの様子をお届けしましょう。

ジャーン!! こちらが、Honda SUV e:Prototypeです。えっクルマがよく見えないって?

まずステージ上に置かれた“もっとも注目させたいクルマ”は「Honda SUV e:Prototype」と呼ばれるコンセプトカー。「あれ!? 新型ヴェゼルのドレスアップモデル?」と一瞬思ったのですが、そうではありません。中身はピュアEV(電気自動車)で、いうなれば「ヴェゼルの皮をかぶったEVのコンセプトカー」ですね。

てっきり皆様が期待しているのはアチラかと思い、申し訳ありません。アチラをもっと見たいという方は本記事のいちばん下までスクロールしてください

実はいま、タイでもEVのアピールは政府、そしてその影響を受けた自動車メーカーの双方から盛ん。2022年のタイモーターエクスポも「EV祭り」といった様相でした。

といわけでホンダがEVのコンセプトカーを展示したのは当然の流れだし、市販車ではないものの世界のトレンドにはしっかりついていけたと思います。まあ、このコンセプトカーはすでに2021年4月の上海モーターショーで公開されている……という事には深く触れないでおきましょう。

だた、来場者の関心としてはEVコンセプトよりももっと高いモデルがありました。それが新型「シビックType R」。なんと新型はタイでも販売される見込み。価格は……公開されませんでしたが、日本からの完成車輸入となるので高額な税金も含めて「日本の2.5倍以上」になるのは間違いないでしょう。絶対に買えない……。

あ、あまりの高価格っぷりに思わず心の声が出てしまいました。

ところで、かつてタイにおけるホンダのメジャーなクルマといえば「ジャズ」こと日本でいうフィットでした。しかし、何を隠そう今のタイのラインナップに「ジャズ」というクルマは存在しません。

サイズ的にはフィット以上シビック未満な「シティ・ハッチバック」。開発にはS660のLPLを務めた椋本 陵 氏も関わっているらしい

そのかわりとなるのが「シティ・ハッチバック」。「シティ」は日本でいう「グレイス」などに相当するフィットベースのセダンですが、気が付けばジャズはそのシティのセダン版というポジションになっていました。新型へのフルモデルチェンジと同時に改名したわけですね。

グレードはRS。リアガラスには「VTEC TURBO」の文字も見えます。日本導入してほしい…

しかしそのシティ・ハッチバックのスタイルは……あれ、日本のフィットとぜんぜん違う。専用デザインですね。しかも全長は4349mmあるから、つまりは日本のフィットに比べて35cmも長い(全幅は1748mm)。現地では“見栄”が大事なので、立派に見えるように大きくしているということでしょう。まあ、実用性の向上もありますが。

こちらはシティ ハッチバック e:HEV RS。車高の高さがクロスオーバーっぽい

タイではコンパクトカーをファミリーでフル活用する層が多いそうで、荷室の広さは大事なのだそうです。それにしても、この車体サイズってひと昔前の「Cセグメントハッチバック」ですよね。

そうそう、日本にはないコンパクトセダンの「シティ」もタイには存在。いうなれば「グレイス」の後継モデルですね。全長はハッチバックよりもさらに長い4553mm。もはや立派なCセグメントセダンの領域です。ただ、グレイス時代に比べるとあまり高級感が感じられないデザインなのは気のせいでしょうか。

もちろんシビックだってタイでの人気車種です。日本は新型になって5ドアハッチに一本化されましたが、タイでは5ドアハッチバックと4ドアセダンの両方をラインナップ。しかもe:HEVにまで「RS」があります(あれ、日本には……?)。

ダックテール形状のリアスポイラーがカッコいい

ちなみにこのRSは走りをスポーティに仕立てたというよりは、スポーティドレスアップ仕様と言った立ち位置ですね。そうそう、タイではスポーティな仕立てやドレスアップが大人気なのです。

ところで、個人的に気になったのは日本未発売の「BR-V」というコンパクトSUV。全長4490×全幅1780mmのボディに1.5リッター・エンジンを積む、CR-Vの弟みたいなクルマです。その存在は以前から知っていたのですが……こんなにカッコよかったっけ?? もっと安っぽい雰囲気だったような……。

気になって調べてみたら、2021年に2代目へフルモデルチェンジ。新型はタイでは2022年7月に発売されたばかりなのだそうです(生産国はインドネシア)。どおりで見たことなかったわけだ。

3列シートの7人乗りで、サイズも含めて印象としては(2列シートであれば)かつてのCR-Vの後継.モデル的な雰囲気ですね。もし、装備を抑えたベーシックグレードを230万円ほどで売ったら日本でもそれなりにヒットしそうな気もするのですが……。

というわけで、バンコクからお伝えしました。サワディカーップ。

(photo&text:Takahiro KUDO 工藤貴宏)