Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. MOTORSPORTS
  3. 【GT500】目まぐるしく変化する天候にも負けず、64号車Modulo Epson NSX-GTは7位入賞!【動画】

【GT500】目まぐるしく変化する天候にも負けず、64号車Modulo Epson NSX-GTは7位入賞!【動画】

2019年シーズンのSUPER GTも、いよいよ終盤戦を迎えた。第6戦の舞台は、大分県のオートポリス。昨年まではシリーズの第7戦で開催されていたが、今年は第6戦へとスケジュールが変更されて行われた。

2018年シーズンの10月上旬から、2019年は9月上旬へと開催時期が変わったことは、季節が秋から残暑厳しい晩夏へ移ることとなり、気温や路面温度といった従来のデータをそのまま使うことはできない。さらにSUPER GT独特のルールであるウェイトハンデにおいても、最終戦の第8戦はノーハンデ、第7戦は規定重量の半分を搭載することと定められており、今回の第6戦は、各チームとも積算ウェイトをフルに搭載する最後のレースとなる。

そのなかで、ここまで全戦で完走するなど安定感を示している64号車Modulo Epson NSX-GTは、GT500参戦車両のうちもっとも軽い9kgのウェイトハンデということもあり、活躍が期待された。

そして迎えたレースウィークは、各チームとも天気予報を睨みながらの展開となった。大型の台風15号が日本列島に近づく影響もあり、予選が行われた9月7日は大きな気温変化や強風に見舞われた。

各チームとも思うようにタイヤグリップが高められないなか、GT500クラスに参戦する64号車も同様に苦しみ、Q1を担当した牧野任祐選手は1分36秒236を記録。全体の13番手となり、残念ながら予選Q2への進出は果たせなかった。

迎えた決勝レースの日、早朝は晴れ間も見えていたものの、台風15号は着々と日本列島に近づいてくる。どうやら九州地方に上陸することはなさそうだが影響は大きく、予報では午後から天気は下り坂。1日を通して天候の大きな変化が予想された。

1年に1度のSUPER GT開催とあって、オートポリスには朝から大勢のファンが訪れ、ピットウォークも大盛況。日差しはまだまだ夏を思わせるほど強く、天気予報が信じられないくらいであったが、やがてスタートセレモニーが近づくにつれ雲は多くなっていった。

それでもレーススタート時点では晴れ間もあるなか、フォーメーションラップがスタート。しかしホンダ勢にとってはまさかの展開となってしまう。グリーンフラッグが振られる以前のフォーメーションラップ中に、前を走る23号車の加減速が想定より大きかったためか、11番手スタートだった16号車がひとつ前の23号車と接触。

さらに12番手スタートの1号車とも軽く接触してしまい、1号車はマシンをストップ。1周目からセーフティカーが出動する幕開けとなる。

64号車のスタートドライバーはナレイン・カーティケヤン選手が担当。スタート直後は晴れていた上空の空も、みるみるうちに雲が多くなり、コースの一部では雨が降り始める。雨は路面を濡らしているものの、コース全域がウェットとなるには至らず。このあたりが山あいにあるオートポリスの難しいところだ。

コース内にウェットとドライの両方の路面が存在している状態のため、ナレイン選手はスリックタイヤで走行を続ける。ライバル車両の多くがアクシデントに見舞われるなか、ベテランらしく丁寧にマシンを操り、牧野選手へとドライバーチェンジ。雨は徐々に強くなっており、タイヤもウェット用へと交換を行った。

マシンを託された牧野選手は、前を行くライバル車両との差をどんどんと縮めていく。残念ながら後半はタイヤグリップが落ちてしまい順位を下げてしまうが、今季ベストとなる7位でチェッカーフラッグを受けた。

2019年のSUPER GTもいよいよ残り2戦、第7戦スポーツランドSUGOと最終戦のツインリンクもてぎを残すのみとなった。冒頭にも記したが、この2戦はウェイトハンデが徐々に減らされていくガチンコレース。64号車の今シーズン初表彰台、そして初優勝の瞬間に期待したい。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)